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役員貸付金とは?

会社のお金と個人のお金は別々です。役員貸付金とは何かみていきましょう。

役員貸付金とは

法人から役員に対して、貸し付けているお金(逆は、会社負担分を立て替えている場合に発生する「役員借入金」があります)

会社と個人は、別の人格なので、税金の処理や申告も別々、会社のお金と個人のお金は区別しなければいけません。

→結論からいいますと、役員貸付金の発生は、いろいろ注意が必要な科目です。

なぜ発生するの?

☑ 会社のお金を個人のお金として使用したとき

☑ 会社のお金を個人に貸し付けたとき

☑ 支出した現金預金の使途がわからないとき


→役員報酬は一定が原則なので、役員報酬を追加で出したという概念はありません。追加で支給したという場合には、追加分が全額否認され課税対象となります。

役員貸付金が発生する仕組み

複式簿記で処理すると?

支出した現金預金の使途を左側(借方)に必ず記載する必要があるため、領収書がない、領収書の内容が個人用途、使途が不明な場合には、役員貸付金が増えてしまう(個人用途を経費にすると架空経費、税務調査で追徴になる可能性があります)。

消耗品を買ったとき領収書がある場合 → 経費〇
(借方)消耗品費 100 / (貸方)現金預金 100
消耗品を買ったとき領収書がない場合 → 経費×
(借方)役員貸付金 100 / (貸方)現金預金100
役員が会社のお金を使った場合 → 経費×
(借方)役員貸付金 100 / (貸方)現金預金100

役員貸付金が増えると決算書には・・・

会社の財産の状況を示す、貸借対照表では

金融機関からは「返済能力」と「資金使途」に疑念が生まれるため評価が下がり、借入が難しくなる。貸しても、社長のお金に回るし、営業の為にお金を使わないので、返せないのでは?・・・

貸借対照表には、役員貸付金(短期貸付金など)で表示されることになる。

借方
金額
貸方
金額
資産
100,000
負債
80,000
役員貸付金
20,000
純資産
40,000

役員貸付金の弊害

さまざまなデメリットがある

☑ 銀行の評価が下がる

☑ 役員は会社に利息を払うことになる(税法上要求されている)

☑ 役員報酬で返済すると源泉所得税など税金を払うことになる

☑ 役員報酬を上げて返済すると社会保険料も上がる

☑ 税務調査が入ると役員賞与扱いをされ、役員賞与は損金不算入の
可能性がある、多額の場合には、税務調査の可能性も高くなる

※適切に会社と個人のお金が区分されている、上場会社の有価証券報告書にはない勘定科目

結論 役員貸付金の発生は、注意が必要です。事前に法人と個人のお金を区別していきましょう。

顧問や税金について、ご相談したいかたは当事務所へお気軽にご相談ください。